建築一式工事の許可があれば、どんな工事でも請け負える？

建築一式工事の許可があれば、どんな工事でも請け負える？

建設業許可の業種区分で「建築一式工事」というものがあります。
それでは「建築一式工事」の許可を取得すればどんな工事でも請け負うことができるのでしょうか？
答えは『NO』です。

建設業許可の業種区分とは

建設工事は、土木一式工事と建築一式工事の２つの一式工事と２７の専門工事に分類され、それぞれに応じ２９の業種が法律に定められています。

建設工事の種類と業種

建設業許可を取得しようとする場合、業種ごとに許可を取得しなければなりません。
「土木一式工事」や「建築一式工事」これらは文字だけをみると全ての工事を請け負うことができそうですが実はそうではないのです。

一式工事とは？

それでは一式工事とはどのようなものを指すのでしょうか？
大規模な工事や施工が複雑な工事は、複数の建設業者が関わる場合が多く、総合的なマネージメント（企画、指導、調整など）が必要です。
このマネージメントが必要な工事を一式工事といいます。
一式工事はその工事全体のマネージメントを行うことから、原則として元請として工事を請け負う場合に必要な許可業種です。（例えば注文住宅を建築する会社などがこれに当たります）
下請業者が、元請業者から一式工事を請け負うということは一括下請けの禁止に反する可能性があるため、原則あり得ません。
一式工事には、トンネルの建設工事のように土木工作物を建設する土木一式工事と、ショッピングモール新築工事のように建築物を建設する建築一式工事があります。

一式工事の考え方

一式工事の考え方について、大阪府の「建設業許可申請の手引き」1-2ページ（https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/8330/1_kyoka_tebiki_1.pdf）に書かれています。
一式工事は「元請の立場で総合的にマネージメントする建設業者が請け負う、大規模かつ複雑で、専門工事では施工困難な建設工事」もしくは、「元請の立場で総合的にマネージメントする建設業者が請け負う、複数の専門工事を組み合わせて施工する建設工事」であるといえます。
ただし考え方は、許可行政庁により判断が異なる場合がありますので、悩んだ場合には許可行政庁にご確認ください。

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